施術例

T.T 様 男性 64歳

症状(原文)

 左臀部、左スネ、足首痛い。左足、すねに痺れ(しびれ)。骨盤左右朝起き上がり時痛い。
右臀部、スネも多少痛みあり。

検査

 筋力検査
筋力、筋のトーン共に全身的に低下
特に体幹に近い大きい筋力の低下が著しい。
手足の指、手首足首などの関係した筋力の低下は低いがトーンは低下している。

 感覚検査
シビレを訴えている左足ひざ下、痛覚低下。
背中左右肩甲骨間痛覚低下。

 神経学的検査
指-鼻-指 : 右陽性
回内、回外運動 : 右陽性
※右小脳機能低下を示す

眼球運動
サッケード : 右陽性(目標物を見ようとして顔ごと動いてしまう)
輻輳反射 : 左陽性
※左大脳皮質低下を示す

・ 筋の伸張反射、左下肢部低下。
・ 対光反射、右入光低下。
・ ウェーバー検査、左優位。
・ 血中酸素濃度 右:98 左:96

上記の検査結果から右小脳機能低下による左大脳皮質機能低下を示す。

アプローチ

 右ふくらはぎに伸縮性テープを張り皮膚からの触覚刺激を使い左大脳皮質の活性化を図る。
腹直筋の収縮が強く胸郭(あばら骨)の動きを制限していたため腹直筋を緩める。

 調整後全身の筋力、トーン。ほぼ正常値に戻る。
その後の施術においても筋への直接的な刺激(マッサージや押圧など)は行わず神経系への酸素改善で機能回復を図る。

所見

 この患者さんは身長が180cm以上あるのですが、軽自動車を使っての宅配のお仕事をされています。
大きな体を前かがみの状態でほぼ一日運転をしているため呼吸が低下し酸素不足に陥りそこに加え手足を小さく曲げた状態が長時間続く。これにより手足からの小脳への刺激が低下し小脳から刺激を受ける大脳皮質が低下を起こし痛覚抑制の低下と血流低下に伴うシビレ感を発生していました。
脚全体と臀部に痛みが発生していたのも痛覚を抑制する機構が低下したためでした。
左スネのシビレはシビレではなく痛覚つまり痛みの感覚が低下した『シビレ感』です。
シビレとシビレ感は正反対の現象ですが患者さんは両方とも『シビレ』と表現します。シビレとシビレ感では改善の方法がまるで違うので感覚検査を確実に行うことが重要です。

痛みとシビレ感で辛いため長い期間、湿布薬を貼り続けていたもの症状を悪化させてしまった大きな原因です。湿布を貼るのをやめていただき温めるようにしていただいたところ患部の痛みとシビレ感は大きく改善。温めて血流を改善し酸素を患部に届けることは一番大切なことでありエネルギーを産生するためには欠かせない条件です。
日々鼻呼吸を常に意識し一日に5回以上の深呼吸を処方。
痛みを伝える痛覚神経は神経の中でも特に酸素不足に弱く、少しでも酸素が不足すると発火して痛みを伝えやすくなる特質があります。

 呼吸改善と身体を冷やさない事をお願い。
10回の施術でほぼ痛みとシビレ感、それに全身に感じていた疲労感も改善。

T.T様からいただいた患者様の声はこちら

 

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