施術例

左手前腕から薬指、小指に痺れ(しびれ)29歳 女性

お悩みの症状

左手前腕から薬指、小指に痺れ(しびれ)、1年前に交通事故でムチ打ちになりそれから徐々にシビレが強くなってきた。
事故以来、首を上や下に向けたり左右に振り向くと痛みがあり大きく動かす事ができない。

検査

握力右25キロ、左10キロ
神経学的検査で左脳の機能低下を示している。
呼吸時の胸郭(あばら骨)の可動が極端に小さい。
横隔膜の動きをコントロールしている腸腰筋(大腰筋・腸骨筋)の過収縮
首の前側にある胸鎖乳突筋、斜角筋群が過緊張を起している。。
尺骨神経領域の症状であるが、末梢よりも中枢性の問題のようである。

アプローチ

右脊髄小脳路を利用し、右小脳→左視床→左大脳皮質と神経通路を利用し左大脳皮質、活性化。
腸腰筋、横隔膜、胸鎖乳突筋、斜角筋群の呼吸関連筋をリリースし機能回復を行い呼吸改善。
左脳と呼吸の活性化を行うと左握力は18キロまで回復。
首の動き、指のシビレ共に改善し症状は半減。
在宅ケアとして左脳活性化の眼球運動と深吐呼吸法を行ってもらう。施術3回目で左握力23キロまで回復、シビレ感も消失。

所見

ムチ打ちによる典型的な付随症状です。
ムチ打の痛みは首の後ろに現れますが障害を受けるのは首の前にある斜角筋群(前・中・後斜角筋)や肩甲舌骨筋などです。
追突などの衝撃で最初首は前に屈曲し次に反動で後に過伸展します。
首が過伸展したときに首の前側に有る筋肉が過剰に引き伸ばされ、筋断裂や過収縮を起します。
痛みは障害を受けた首の前には現れず後ろに症状が現れます、これがムチ打ち症状です。
事故後の後遺症は頚部筋、横隔膜、腸腰筋などの呼吸筋が衝撃により過収縮を起し、呼吸が小さくなり神経が酸素不足に陥った結果です、神経は酸素が不足すると興奮しやすくなります。
特に痛みを伝えるC線維は酸素欠乏に弱く、呼吸が低下すると活性化し痛みを中枢神経に伝えてしまいます。
酸素不足は末梢の部分的な問題だけではなく中枢神経の機能低下を招き広範囲の症状を引き起こします。
この患者さんも呼吸筋の機能を回復し、酸素不足を解消すると一年間、苦しんでいた首の痛みと指のシビレは消失しました。

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