院長のブログ

曖昧模糊

私たちは何を基準に、あるいは目安に施術を行うのだろ
歪み?背骨のズレ?筋肉の硬さ?こり?これほど抽象的で曖昧な基準はない。
100万歩譲ってズレや歪みがあったとして、それが患者さんの抱える辛い症状にどう関連するのか証明できるのであろうか。
筋肉がこっている、硬い。ではその患者さんの正常な筋肉の状態を把握しているのか。
辛い状態だから我々の施術院を訪れる、しかしその時にはすでに正常な状態(筋の張やトーン)ではない、もしかしたらその筋肉は硬い状態が正常であるかもしてない。
そうであれば、いくら揉みほぐしても柔らかくなるはずがない
かえって具合を悪くする結果になるのではないか
触った感じとか動きが悪いとか、そんないい加減な基準で施術は行えないはずである
確固たる基準、客観的に評価できる基準で患者さんを診なくてはいけない

症例を2つ
お一人は期外収縮。
期外収縮とは『瞬間的に脈が飛ぶ、脈が抜ける、瞬間的にドキッとするなどの症状を呈するもの』
もうお一人は不眠と口の渇き(ドライマウス)
お二人とも病院で長い間受診していたが変化が無く
『年齢的にしょうがないでしょう』『病気とじょうずに付き合っていきましょう』などと言われ、半ばあきらめていた。
お二人とも症状が余りにも不快なためご紹介とホームページをご覧になって来院された
不眠とドライマウスの方は瞳孔の収縮と眼底の動脈と静脈の比率、中枢神経の状態で交感神経亢進状態と判明
瞳孔の収縮状況、眼底動静脈の比率を基準に施術を進め、双方が正常な状態になるにつれ不眠、ドライマウスは改善

期外収縮は眼球運動(輻輳)、瞳孔収縮の状態を基準に施術を進める
大脳皮質の左右性バランスが正常化してくると共に期外収縮はほとんど感じられなくなってきた。

双方の患者さんともに症状に対しての施術は行っていない、と言うよりも症状に対してではなく中枢神経の状態を正常値に調整しただけである
そうすることによって症状は自然と改善してゆく
何もこれは特殊な症状だけのことではない
腰痛であれ、肩こりであれ、膝の痛みであれ外傷以外での自然発生的な症状全てにいえることなのである。
こりは揉みほぐすことなどできない。
痛みは背骨、骨盤を矯正したところで神経系の状態を考慮しなくては改善することなどありえない。

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