院長のブログ

末梢神経と中枢神経の関係

6ヵ月前、昨年11月に右肩に痛みを感じ、今年2月に整形外科で50肩と言われましたと40代の女性。

50肩と言うのは何とも、診断ではなく状況を言っただけではないか!

まあそれはともかく同病院でリハビリを受けていたが右肩の可動域(動く範囲)はどんどん悪化。痛みも悪化する一方。

一か月ほど前から左肩にも痛みが・・・
そして動きも悪くなって・・・

病院に通院していたのになぜ?

これは辛いですよね。

よく50肩(肩関節周囲炎)は反対側の肩にも障害が移ると言いますがなぜでしょう?

肩や肘などの関節の動きの感覚情報を深部固有感覚と言います。
深部固有感覚は脊髄を通り脳に向かいますが途中で反対側に交差して大脳皮質の感覚野に入力されます。

右肩の関節の動きは左の大脳で捉えています。

五十肩などで右肩の動きが悪くなり左大脳への固有感覚の入力が低下し続けると
左大脳皮質が機能低下を起こします。

左大脳半球からは左半身の運動機能を調整する下行性神経線維が行っています。
運動自体は大脳皮質に対して交差性機能ですが
運動調整は大脳皮質に対して同側性の支配です。

右肩の機能が低下する。
右肩の固有感覚情報が左大脳皮質に入力されなくなる。
左大脳半球の機能が低下する。
左下行性抑制機能が低下。
左肩筋トーンの低下。
左肩も痛み、可動性低下。
と言う方程式が出来上がります。

これを改善するのは局所の調整も必要ですが
それよりもまず低下した中枢神経系の機能回復が重要です。

この患者さんの場合はまず呼吸改善で酸素を中枢に送り
眼球運動で中脳を通して左大脳皮質を刺激。

施術後10分ほど経つと左右の肩の可動性が大きくなり痛みが軽減。
ご自宅での注意事項をお伝えしてお帰りいただきました。

また6日後に来院いただきます。

肩関節周囲炎(50肩40肩)であれ、腰痛であれ、膝痛、寝違えであれ、先ずは中枢神経の機能低下が存在します。
それを改善しなくては末梢の機能問題、痛みなどの感覚系の問題は改善しません。

局所の調整は中枢系の機能回復の後に残ったところだけを最小限度に行うのが患者さんの利益に一番つながると思います。

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