一週間ほど前から歩いていて左膝に力が入らず、時々カックと抜けた様になるとのことでご来院いただいた。
検査
仰向に寝ての膝に関係する筋力検査を行なうと大腿四頭筋・ハムストリング筋群・ひらめ筋・腓腹筋に筋力低下は見られない。
神経学的検査で左小脳の機能低下、これに伴う右脳の低下。
左後半規管の機能低下が観察された。
アプローチ
左小脳を活性化させるため脊柱付近の筋肉の筋紡錘に刺激を入力し、大脳の左右のバランスを整える。
左後半規管を活性化させるため左外耳道へ温熱刺激を加える。
施術後膝に力が入り不安定感は解消されて非常に歩きやすくなったと言う。
所見
左後半規管の低下により左下肢への運動神経系への伝達が阻害され膝の不安定感に至ったものと思われます。
三半規管は体の傾きを感知するセンサーです。
体が傾いた時、その傾きを修正するために中枢神経が下肢の筋肉に伝達命令を出します。
三半規管は体の傾きの情報を小脳や大脳皮質に伝達され筋肉の力の入り具合が決定されます。
三半規管が低下を起こしたことで膝の筋肉への神経的情報コントロールができなくなった為と思われます。
三半規管は重力に対して働く受容器。寝た時、重力は軽減されるため仰向けに寝ての筋力検査では低下が起きず、立位になると重力が働き膝の筋肉が筋力低下を起こし力が入らない為に起こった膝の不安定感です
コメント