施術例

オスグット・シュラッター病14歳 男性

お悩みの症状

部活動でバスケットをやっていて両膝が痛み出し、病院でオスグット・シュラッター病と診断された。1日中痛みがありスポーツをすると特に強く痛む。
病院、接骨院で施術を受けていたが痛みを軽減するバンドを処方され安静を指示された。しかし痛みは改善せず来院。

検査

脛骨粗面が隆起、炎症を起こしている。
脛骨粗面に押圧を加えると激しい痛みがある。
筋力検査では両側の大腿四頭筋、ハムストリング筋群に低下がみられる。
左右の脳のバランスを検査すると左大脳皮質の機能低下が観察される。
呼吸系では横隔膜の機能低下、胸鎖乳突筋と大胸筋が収縮。
口呼吸が顕著に観察できる。

アプローチ

右筋紡錘を刺激し左大脳皮質を活性化。
横隔膜を呼吸に合わせ、可動域を広げるためにマニュピレーションを行い、大胸筋、胸鎖乳突筋のトリガーポイントを解除し呼吸を改善。
呼吸改善と大脳皮質を活性化するとハムストリング筋群の筋力は正常化。
尚も低下している大腿四頭筋にファーストストレッチを行い筋線維を刺激、これにより大腿四頭筋の筋力は正常な値になる。
トリガーポイントを解除しキネシオテープで筋紡錘の機能を補う。
施術5回で一番痛みの強かったジャンプの着地時の痛みが緩和、集中施術15回でほとんど痛みなくバスケットの練習ができるまでに回復。
在宅ケアとして鼻呼吸と深吐呼吸法を指導し現在は1ヶ月~2ヶ月に一度のメンテナンスを行なう。

所見

オスグットシュラッター病は成長期において多い疾患とされています。
膝を伸ばすには、大腿四頭筋と言う太ももにある筋肉が収縮し膝蓋(膝のお皿)を引っ張ります。
膝蓋はの脛骨の隆起した部分、脛骨粗面に膝蓋靭帯でつながっていて、大腿四頭筋により膝蓋が引っ張られると、膝蓋靭帯が脛骨を引っ張り膝が伸びます。
成長期においては骨の表面を覆う骨膜が脆弱で運動などにより大きな負荷が繰り返しかかると骨膜および軟部組織が剥離して痛みを引き起こすとされています。
しかしオスグットシュラッター病の患者さんを診ると大腿四頭筋の筋力低下が原因であり、大腿四頭筋の筋機能を正常にすると患部である膝の痛みは解消されます。
筋肉は筋力低下すると繰り返しかかる負担を筋肉が吸収しきれず両端にある腱(靭帯)に負担がかかります。
この状態が長期に及ぶと、腱(靭帯)が付着する骨膜は剥離を起します、この状態がオスグットシュラッター病です。
しかしこの状態での膝の痛みは成長期だけに限りません、大人においても筋の機能が低下して筋力低下してしまうと同じように膝に痛みがが発生します。
更に中枢の大脳皮質が酸素不足などにより機能低下状態にあると抹消の筋肉は筋力低下を起し腱炎を引き起こします。。

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