坐骨神経痛・・・
ギックリ腰や寝違え同様、病名ではありません、症状につけられる名称です。
しかし今では整形外科のHPなどでも『坐骨神経痛について』などとしっかりと解説されています。
花粉症と同様に市民権を得ているといってもいいと思います。
さてそれでは坐骨神経痛とはどのようなものなのでしょうか。
カイロプラクティックや整体院、整形外科医院のHPをのぞいてみると『症状としてお尻から太ももの裏そして膝から下にかけての痛みシビレ』とあります。
んん?
ちょっと待ってください!
『坐骨神経痛は臀部、お尻には痛みは出ません』
お尻が痛いのは『梨状筋症候群』です。
坐骨神経とは腰髄4番から仙髄3番の神経根から出ている総腓骨神経と脛骨神経が合わさり坐骨神経を構成し、骨盤を出てすぐに梨状筋の下をくぐります。
そのまま太ももの裏側で大腿二頭筋の下を通って膝まで下ります。
膝の上約10㎝のところで総腓骨神経と脛骨神経に再び分かれます。
坐骨神経の障害は根性障害と言って神経根が脊椎を出るところでの障害と大腿二頭筋の下を通る時の圧迫障害が考えられます。
神経根の傷害であれば脊髄4番から仙髄3番までの5つの神経根全てが圧迫され脚全体もしくは大腿全体が障害され広範囲に症状を引き起こすというのは現実的ではありません。
大腿二頭筋下での圧迫傷害であれば膝から下に痛みやシビレの症状が現れるはずです。
太ももの裏とお尻の下部に痛みやしびれを出すのは後大腿皮神経と言う神経で坐骨神経と共に梨状筋の下を通過します。
梨状筋が問題を起こす『梨状筋症候群』では、坐骨神経と後大腿皮神経を絞扼してお尻から太ももの裏、足にかけて痛みシビレが出ます。
おまけを付けますと、お尻の上の方の痛みは上殿皮神経です。
この神経は坐骨神経より上の胸髄11番から腰髄4番レベルから出ていますので坐骨神経とは関係ありません。
お尻に痛みがあるのであれば上殿皮神経障害または梨状筋症候群という事になります。
坐骨神経とは走行も神経分布も異なりますので注意が必要です。
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