院長のブログ

骨盤矯正で生理痛は改善するのか?

骨盤矯正で生理痛が治るって本当?

骨盤を矯正することで生理痛が治るのは本当かです。
その前に骨盤が矯正できるのかと言う問題がありますがそれはまた別の機会に。

骨盤を矯正することで生理痛は治るのか?
ある意味でYes、ある意味でNo。

まずは生理痛とは。
月経期に受精卵が子宮内膜に着床した時に、子宮内膜に動脈が増殖し受精卵に酸素と栄養供給が行われます。

受精が起こらないと子宮内膜は虚血し壊死、剥離し排出されます。
壊死して剥離しますので子宮内膜表面は擦過傷と同じように傷ができ、そこからの侵害性(痛み)の信号が中枢に伝えられます。
同じセグメントレベルの脊髄に入力経路を持つ筋肉や表在の皮膚に痛みを感じます。

子宮などの骨盤内臓器の感覚は仙骨神経叢(一部腰神経叢も含みます)と言って腰髄の下、仙骨部からの感覚神経です。
仙骨と腸骨の関節、仙腸関節の周辺の臀筋はほぼ仙骨神経叢から成り立つ筋群です。

臀筋群のいずれかの筋肉が機能低下を起こし筋紡錘からの入力が低下したとします。
その問題の筋肉と子宮内膜からの侵害性刺激の入力が脊髄の同じセグメントレベルであったなら、脊髄後角での太い神経(筋肉)による細い神経(子宮内膜からの侵害性刺激)への抑制作用が低下し痛みは脳へと伝えられてしまいます。

矯正という行為を刺激と定義するならば、仙腸関節をクラッキング(スラスト)させたことにより周辺筋の腱紡錘が刺激されⅠb線維が発火することで機能低下した筋を収縮させているⅠaの発火を抑制します。
これにより脊髄後角でのゲートコントロールが作用して生理痛は改善されてゆきます。

しかし骨盤周辺に機能低下した筋が無かったら。
これはいくら骨盤を調節矯正しても生理痛は改善しません。

下肢(脚)の筋肉の多くは仙骨神経叢に乗り入れています。
下肢の筋の機能低下によっても生理痛の抑制は低下します。

骨盤内臓器の問題イコール骨盤の問題とはなりません。
骨盤を矯正することで生理痛は治るのか?
したがって答えはYesでありNoでもあるのです。

症状に関連付けての初期検査は非常に重要だと思います。

『はじめの一歩』を間違えてしまうと全然違う方向に行ってしまいます。
気を付けたいですね。

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