院長のブログ

勢いよく『おろすな危険』

肩がこる人が良く行う動作。
肩を上にあげて力を抜いて勢いよくストンっと下におろす。
一見すると肩こりに効く体操のように見えますが、実は筋肉の機能から見ると逆に筋肉を収縮させ筋線維を痛めてしまい肩こりを増悪させる非常に危険な行為です。

筋肉は引っ張られたり引き伸ばされたりして筋肉が長くなると縮めようとする神経のセンサーが働き筋肉を縮めようとします。
この筋肉の長さを感知するセンサーを『筋紡錘』と言います。
この『筋紡錘』聞いた事無いなあという方もいるかもしれませんが、膝の下を打鍵器というゴムのハンマーでピコっと叩くと膝がピョンっと伸びる反射。これを『筋の伸張反射』と言い病院などの検査ではおなじみかと思います。
これは太ももの筋肉が膝の下の膝蓋靭帯を叩くことで瞬間的に引き伸ばされ筋肉の中にある筋紡錘が引き伸ばされて筋肉が収縮するという神経的反射。
全身の筋肉には筋紡錘が備わっていて筋肉の状態を感知しています。

『肩こり体操』で肩を引き上げて勢いよくストンとおろす。この時、肩の筋肉である僧帽筋や首の両脇にある斜角筋群が引き伸ばされ、同時にそれらの筋肉の筋紡錘が反応して次の瞬間筋肉をより強く収縮させる結果を招きます。

それではどうすればよいか。肩を頭の後方もしくは斜め後方に息を吸いながらゆっくりと引き上げます、一番上に引き上げたところで止めて5つつ数えます。
それから5つつ数えながらゆっくりと肩を下してください、この時肩を下してゆくのに合わせて息を吐いてゆきます。それを3回繰り返します。
ゆっくりと肩の上げ下ろしを呼吸に合わせて行うことで筋肉に酸素を含んだ血液が行渡り筋肉のコリを解消してくれます。
お試しください。

関連記事

コメント

この記事へのコメントはありません。