鈴木のり子のブログ

脱ステを成功させるには その2

脱ステを成功させるポイント2つ目は、炎症を起こしやすいものに気を付けることです。

ステロイド薬を使ったことはありますか?

ステロイド薬というのは、抗炎症作用と免疫抑制作用を期待して処方されるお薬です。
急性の激しい炎症の場合はとても助かるお薬です。
アトピーの湿疹や痒みが出ているのというのは炎症反応です。これを抑える効果、すなわち炎症性サイトカイン産生などが抑制される効果で痒みの軽減や肌の修復を促してくれています。

健康な状態であれば、体内で炎症反応を抑えることが出来ますが、アトピー性皮膚炎の方は、自力で炎症を抑えるのが難しくなっていて慢性炎症状態になっています。

さらに慢性の炎症に対して長期にわたって使っていると、体内での副腎皮質ホルモンを作る力が弱くなるのではないかなと感じています(個人的な感覚です)

薬を使わずに炎症の辛さを軽減するには、炎症を起こしやすい食品を避けることも重要で、

前回の『脱ステを成功させるにはその1』では、ヒスタミンを避けることをお伝えしました。

炎症物質の2つ目として、紹介するのは炎症を悪化させる油についてです。

●炎症を加速する危険な油は、アラキドン酸を含む以下の3つです。

1.酸化した油・・・過酸化脂質という毒性物質ができます。

2.トランス脂肪酸・・・工業的に作られたものと調理によって出来たものがあります。

3.アラキドン酸・・・肉、魚、卵、乳などに含まれるものとリノール酸を摂ると体内で合成されるものがあります。(身体にとって必要な必須脂肪酸の1つであり不足すると血圧やコレステロール、脳の機能に影響が出ます。)

体内での炎症を加速させないために、上記の3つの油の摂り方には注意が必要です。

この炎症作用を理解するには、アラキドン酸という脂肪酸が大きく影響する『アラキドン酸カスケード』という現象を知っていただきたいです。

体内で炎症反応が起こると、細胞膜の中にあるアラキドン酸という物質から作られる生理活性物質(ロイコトリエン、プロスタグランジンなど)の作用で痛みや炎症などの症状が起こります。

ステロイドはアラキドン酸の働きを抑えるので、強力な抗炎症作用を発揮します。

本来ならステロイドは体内の副腎皮質ホルモンからつくられますが、アトピー性皮膚炎などの場合は、体内での合成力が低下しています。

炎症を加速する危険な油それぞれについて詳しく解説してきます。

  • 酸化した油

油脂類の酸化は、酸素との結合、光、温度によって加速します。

私たちが口にする酸化脂肪は、高温で調理された食べ物や調理されてから時間が経ち過ぎた加工食品から摂ることになります。

具体的に言うと

揚げ物全般

油で揚げたスナック菓子やせんべい類

焼肉やバーベキューなどでできる焦げた脂身

油の保管は冷暗所に保管すること、出来れば遮光ビンや缶に入ったものを購入することをお勧めします。

また、揚げ物に使った油は何度も使いまわさないことも重要です。

2.トランス脂肪酸・・・工業的に作られたものと調理によって出来たもの

工業的に作られたトランス脂肪酸は、クッキーやお菓子のクリーム、パン生地などの菓子類に入っていることが多いです。表記はトランス脂肪酸ではなく、マーガリン、ショートニングやファットスプレッドなどと書いてあります。

食品表示が分かりにくいので、お気を付けください。

また、リノール酸など特定の油は、揚げ物などの高温調理や電子レンジ加熱によってトランス脂肪酸に変化します。

  • アラキドン酸

アラキドン酸は細胞の膜の構成成分でそれを原料にアラキドン酸代謝物が作られ炎症が促進されます。

ひとたび炎症が起きると次々に炎症が滝のように広がることから、このアラキドン酸代謝の流れのことを アラキドン酸カスケードと呼ばれています。

ここまでの説明だと、アラキドン酸は、悪い面だけを説明していますが、アラキドン酸は血中コレステロール値を低下させ、動脈硬化を予防する作用やその他、体内の様々な反応に必要な物質を作る働きもあります。

先ほども書きましたが、アラキドン酸は基本的に動物性食材に多く含まれ、代表的な食材は、肉、魚、卵です。

体内で作ることが出来ない脂肪酸の一種で必脂肪酸と呼ばれ、必要な量は食事から摂る必要があり、赤ちゃんの粉ミルクにも配合されています。

主に細胞の膜の構成をしており、肝臓、皮膚、脳など、人間の身体のさまざまな組織を構成する主要な成分です。

アラキドン酸に変化するリノール酸は、必須脂肪酸で食品から摂取する必要がありますが、現代の日本の食事では過剰摂取になっています。

主なものは、キャノーラ油、ヒマワリ油、コーン油、大豆油、ごま油、紅花油、グレープシードオイルなどです。

他にもオメガ6脂肪酸の多い食品としては、マヨネーズ、やドレッシング、マーガリンやパン、スナック菓子、カップ麺、ケーキ、チョコレート、ラクトアイスなどにも含まれるため、知らず知らずのうちに摂取しています。

リノール酸そのものが炎症の原因ではなく、リノール酸が体内でγ-リノレン酸、アラキドン酸と変化することで原因物質に変化します。

アラキドン酸によって、痒みなどが促進されるので、普段の食事からのアラキドン酸やオメガ6の油の摂りすぎにはお気を付けください。

炎症を加速しない(体内での副腎皮質ホルモンを多量に必要としない)食事にしていく必要があります。

お勧めの調理法は、蒸す 煮る ゆでる グリルで焼くなどのおかずを組み合わせながら1日1~2品程度は炒めるおかずにする。

揚げ物は、なるべく減らして体調を見ながら食べるようにする。

調子が良いときでも週1回以内だと影響が出にくいようです。

今回はアラキドン酸の影響による炎症を避けるお話でした。

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