施術例

足首の痛み 53歳 女性

既往歴

20年前、登山の途中、滑落事故で右脛骨粉砕骨折。
担当医師からは右足切断の診断。しかし切断を拒否しリハビリテーションにて数年をかけ歩行可能の状態になる。
骨折事故以来右足首に痛み。
普段から疼くように痛みがあるが、2年ほど前より時々足首にめり込むような痛み(ご本人の表現)で歩くこともできなくなることもある。

検査

腓腹筋、ヒラメ筋、前傾骨筋、長・短腓骨筋に筋力低下。
膝蓋腱反射、アキレス腱反射、陰性(異常なし)
ブラインドスポット、対光反射、眼球運動にて右大脳皮質の機能低下が観察できる。
横隔膜、胸郭の可動性低下。

アプローチ

右大脳皮質の活性化を計るために左脊髄小脳路を刺激。
横隔膜と胸郭にマニュピレーションを行い呼吸改善し神経系に酸素供給を行う。
子宮を骨盤に固定する子宮間膜と右足首に関係した腓腹筋、ヒラメ筋、前傾骨筋、長・短腓骨筋に内臓-体性反射が診られたため、子宮間膜を刺激。
子宮間膜刺激後再度、腓腹筋、ヒラメ筋、前傾骨筋、長・短腓骨筋の筋力検査を行うと筋力が上がり、正常値を示す。
立ち上がって歩いていただくと、まだ少し痛みはあるが足首に安定感がありスムーズに歩けるという。
その後、右大脳皮質の活性化と子宮間膜の機能を正常化し9回で施術終了。

所見

大脳の頭頂部に体性感覚野と言うのがあります。
ここは手や足、身体などの部分の感覚(痛みや触覚など)を感じているところです。
この患者さんの場合、骨折した足の筋肉や関節からの運動情報の入力が低下し、体性感覚野の足の部分が興奮状態になり、歩いたり立ったりした感覚を脳が痛みと判断してしまった例です。
大脳の体性感覚野の異常興奮での痛みは、病院でのレントゲン・MRI・CTなどの画像検査では異常は現れません。
画像検査はあくまでも形状確認であり、神経系の機能は映し出すことはできません。
画像検査で異常がない場合はほとんどが痛覚過敏とされてしまいます。
今回は、骨折した足首の機能は問題なく回復していましたが体性感覚野の足の感覚部分が興奮状態で機能低下を起し、痛みを感じていました。

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