施術例

梨状筋症候群 太ももの裏側の痛み・痺れ(しびれ) 52歳 女性

お悩みの症状

一年前に空手の演武で蹴りを行った瞬間、激しい痛みが臀部から太ももの裏側に走りそのまま痛みで足がつけなくなった。
整形外科で坐骨神経痛と診断されリハビリを行うも改善はされなかった。
痛みで足を引きずるような歩行しか出来ず、空手の稽古を行えるまでには至っていない。

検査

大臀筋・小臀筋・ハムストリング筋群・大腿筋膜張筋・梨状筋にそれぞれ筋力低下が認められる。
梨状筋に激しい圧痛と筋神経反射テストにおいて梨状筋からの低下反射が認められる。

アプローチ

梨状筋に瘢痕組織が形成されている形跡が見られるため、梨状筋の筋線維に対しピンポイントで持続圧による刺激を数箇所入力。
ハムストリング筋群へのトリガーポイント解除。
横隔膜、胸郭、腸腰筋を調整、呼吸を改善し臀部の血流を促す。
施術後低下していた大臀筋・小臀筋・ハムストリング筋群・大腿筋膜張筋・梨状筋は正常値に戻り痛みは減少。
歩行時もほぼ正常な状態になる、その後7回の施術で終了。

所見

梨状筋は大腿を後に振り上げる時に作用します。
蹴り、特に足刀蹴りは足を若干斜め後に向かって蹴りだします、この時梨状筋が最大限に収縮します。
筋肉は酸素が不足した状態で収縮させると反射で過収縮し痙攣を起します。
足刀蹴りを行った際、梨状筋が反射で過収縮を起し、梨状筋の下を通っている総腓骨神経と脛骨神経を圧迫したと考えられます。
総腓骨神経と脛骨神経が合わさり坐骨神経になります。
梨状筋症候群は坐骨神経を圧迫し臀部と大腿の後部および側面に痛みを現すので、坐骨神経痛と勘違いされやすい疾患です。
坐骨神経痛は脊髄神経が脊髄を出る時に神経根となります、この神経根を脊髄の出口で何らかの原因で圧迫障害されて起こります。
坐骨神経痛では大腿外側から膝から足首の外側に痛みシビレが現れとくに膝から足首までの外側に強い痛みシビレが現れます。
梨状筋症候群は臀部から下肢に症状が現れますが、坐骨神経痛は臀部には症状は無く下肢だけに痛みシビレが現れるのが大きな特徴です。
坐骨神経痛と梨状筋症候群では原因が異なるため施術もまったく違います。

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