左側頭部、耳の上あたりに違和感、指で触るとビリビリと過敏な感じ。
顔面左側が鈍痛。
舌の左側に食べ物がふれた感じが右側と違う。
苦みが感じにくい。
左咽頭奥の違和感。
右耳を塞いで左耳だけで音楽を聞くとリズムと音程がおかしく聞こえる。
左耳だけでは聞こえづらい。
左耳の奥(内耳)が痛い。
顎の下、顎下リンパ節付近に大きいな浮腫。
左上肢の筋の伸張反射の亢進。
最近来院された患者さんの症状です。
症状の中でいくつかの共通点を見つけることができます。
左側頭部付近の痛み、顔面左側の鈍痛、左耳奥の痛み、舌の違和感。
これは三叉神経による感覚。
味覚、咽頭の違和感は顔面、舌咽、迷走の各神経ですが三叉神経脊髄路核に神経線維が乗り入れいています。
左耳の音の変調。
音の調節は末梢部分では三叉神経支配の鼓膜張筋が鼓膜の張りを調節し、顔面神経支配のアブミ骨筋が蝸牛への振動を調節しています。
ここまでの状態では共通点は三叉神経と顔面神経が関係しています。
左耳で音楽を聴くと音楽のリズムや音程が変に聞こえ、調子外れに聞こえる。
蝸牛で電気変換された信号が聴覚野に至るまでもしくは聴覚野の神経機能の問題が考えられます。
(病院で受診し画像診断は問題なし)
左上肢の筋の伸張反射亢進。
中枢神経系の機能的問題を示唆しますが、ホフマン徴候、バビンスキー徴候に陽性反応は無。
中枢神経障害ではありませんが中枢神経の機能的問題があると思われます。
聴覚のリンネ検査では骨導、気導でさほど大きな左右差はありません。
しかし左側の骨導検査時に大きく聞こえる。
ウェーバー検査でも左側に大きく響いて聞こえる。
まぶたを軽く閉じてもらうと眼系痙攣が確認できました。
これらの状況から末梢、中枢神経共に異常興奮状態であることが予想されます。
三叉神経と顔面神経の状態を調べるために角膜反射を行おうとしましたがコンタクトレンズを着用していたためにできませんでした。
角膜反射は三叉神経支配の眼球の角膜を刺激することで顔面神経支配の眼輪筋の反射を診ることで三叉神経と顔面神経の機能、脳幹の橋の状態を検査することができる大変有効な検査です。
このごろはコンタクトレンズ着用の患者さんが多いので工夫が必要かもしれません。
以上の状態から強い刺激は神経の処理能力を超えてしまいます。
選択したのは表在感覚の触覚を刺激するためにカメラのレンズを手入れするときに空気を吹き付けるブロアーで軽く下肢と上肢の皮膚に空気を吹き付ける。
そして胸郭を広げるように呼吸誘導。
今日できることはこれだけです。
神経状態、施術内容を説明して10分経過したところで、左側頭部を指で触るとビリビリとした過敏な状態はなくなってきました。
この患者さんの神経の状態は神経細胞の膜電位が閾値すれすれに近づいてしまい、ちょっとした刺激にも神経細胞が発火してしまう状態。
このようなほとんどの場合には酸素不足に陥っているため、呼吸改善と必要最小限度な弱い刺激で神経機能の回復を図らなければいけません。
強い刺激は厳禁です。
神経の機能をさらに低下させてしまいます。
頭痛、耳鳴り(難聴)、眩しいは要注意。
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