高校のサッカー部
1か月ほど前にサッカーの練習で右足脛骨、俗に言う『弁慶の泣き所』をゴールポストに強打、打撲。
その時に病院で縫合するほどではない傷ができたがそれも治り腫れもない。
2週間ほど前からボールがうまく蹴れない。
何となくではあるが走るときに違和感があるようになり1週間前から走るときにつま先で地面をける時に力が入らず下肢外果(外くるぶし)の下に痛みが出るようになってきた。
筋力検査を行うと前脛骨筋、長母趾伸筋、大腿四頭筋、腸腰筋、ハムストリング筋(群)、膝窩筋など他にも下肢の細かい筋が筋力低下を起こしていた。
はてさて、原因は何か?
触覚、圧覚、痛覚、二点識別覚などの感覚検査を行ったところ傷跡を中心に半径10cmにわたり痛覚が低下していることが判明。
筋力の低下と痛覚障害を関連させて検査、調整を行うと見事低下していた筋力が回復。
その後の練習でもボールを蹴る感触、走る感触など元に戻ったと喜んでいた。
結果的には1か月前に打撲し裂傷した付近の痛覚が喪失していたことが運動機能に障害をもたらしていた。
運動機能は大脳皮質の運動野から発せられ手足を動かすが実はそれだけではない。
高次運動野と言われる部分、脳幹、小脳などが運動のコントロールにかかわり質の高いパフォーマンスを実現しているがこれら中枢神経の運動機能に関わる部分は抹消からの感覚の正確な情報入力が不可欠なのである。
『中枢は抹消からの感覚入力に依存している。また抹消は中枢からの運動指令に依存している』
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