院長のブログ

犯人捜し

ずいぶん前になるがカイロプラクティック神経学の恩師である増田先生が、我々の仕事は探偵であると言ったことがある。
原因と言う犯人を、いかに速やかに探し出すことが出来るか。
原因が分かれば施術の90%は達成できたと思って良い。
こんな言葉を思い起こさせる症例を3例。
一週間前から右足首が腫れて歩行困難になってしまった20代の女性。
近くの接骨院で受診、施術を受けるが改善がない。
ぐるぐる巻きのテーピングを取るとかなりの晴れが確認できる。患部は触ることも出来ないほどの痛み。かろうじて、踵をついて歩ける程度。
反射テストで3ヶ月前に骨折した右腕より反応がある。
前腕の総指伸筋をリリースする。10分ほどで足首の腫れが引いていった。
次の日には歩くことができるようになった。
この患者さんは腕の骨折に起因する、体性-体性反射である。

歩行中、物を踏み外してしまい、膝をねじり膝が痛く歩行できないと言う60代女性
自宅近くにの接骨院で施術を受ける。スジを痛めたのではないかと言われ、テーピングで固定。2週間経過しても痛みが強く歩行困難。
筋力検査で内転筋が極端な筋力低下が認められる。
反射テストで確認を行うと膝への反応がある。
内転筋の機能を正常に戻してあげると、若干の痛みはあるが歩行できる状態に回復。
内転筋の収縮が起因しての、体性-体性反射による痛みである。

左腕を斜め上に挙げると肩に痛みが出ると言う40代男性。
痛みを直接引き起こしていたのは、左大胸筋であるが、その大胸筋の機能低下を引き起こしていたのが大腸からの反射であった。
大腸をゆっくりとした振幅で圧を加えながら刺激を行うと左肩の痛みが消失。
大腸を固定している間膜が緊張を起しての内臓-体性反射である。
以上の3例は痛いところには原因の無い、「真犯人は別にいる」典型的な症例。

関連記事

コメント

この記事へのコメントはありません。