鈴木のり子のブログ

グルテンフリーとレクチンが身体に及ぼす症状

前回、なぜ、グルテンフリーをやった方が良いのかということをお伝えしました。

では、小麦のグルテンとは、何なのでしょうか?

前回もちらっと書きましたが、グルテンというのは、植物毒のレクチンの1種です。

レクチンはタンパク質の一種で、細胞の表面の糖鎖に結合しやすいタンパク質で、ほぼ全ての動植物に含まれますが、私たちが影響を受けやすいのは植物毒としてのレクチンです。

ほぼすべての動植物に含まれるレクチンが毒である理由について

人間や動物、昆虫側からすると、野菜などの植物は「食料」ですが、

植物の側からすれば、動物は「自分を食べようとする敵」になります。

食べられたくないが、植物は身動きが取れないため、レクチンと呼ばれる物質を生成して、「食べると、食べた相手が痛い目に遭う」というやり方で、昆虫や動物に食べられないようにしているのです。

レクチンは猛毒の物もあれば毒性が弱い物もあります。

人が植物を食べるときに、レクチンが人の健康に悪影響を与える場合があるのですが、私たちは加熱調理をして植物を食べることも多いので、毒消しが出来ていることも多いのです。

残念ながら、毒性を消すことが難しい植物毒もあります。安全だと考えられてきた植物性の食品にも、実は人体に悪影響を与えるさまざまな物(反栄養素)が含まれています。

レクチン(lectin)は数千種類以上あるタンパク質で、その中で良く知られているものの1つが、小麦のグルテンで、多くの方に影響が出やすいのです。

レクチンの他に反栄養素として有名なものが、玄米のフィチン酸やほうれん草や山芋のシュウ酸などです。
こちらの反栄養素も人によっては、アレルギー症状を悪化させる場合があります。

  • レクチンという物質について

レクチンとは「糖鎖と結合することの出来るタンパク質」で、細胞膜を覆った糖鎖と結合して、体内で問題を起こす可能性がある反栄養素の一つ

  • レクチンが身体に及ぼす症状

  • レクチンが腸の内壁を傷つけ、腸の透過性を高めてしまう⇨リーキーガット(腸漏れ)を起こして腸の中の分解前のタンパク質やペプチド(本来なら血中に入らないサイズ)が血液内に漏れるようになってアレルギーやアトピー、自己免疫疾患の原因になる場合も多いです。
  • レクチンは種類によっては免疫や神経を害する毒性がある
  • 関節炎⇨炎症を誘発する性質があるグルテンは関節部分を覆うグルコサミンと結合してしまい、関節部分に炎症を起こすことがある。
  • 内分泌機能を破壊⇨甲状腺疾患の原因や男性の精子の数を減らしてしまうなど、レクチンは不妊症の原因にもなると考えられています

このようにグルテンやその他のレクチンを含む食材を食べることで、様々な体調不良に繋がるとされていますが、自覚症状が無い場合や、あるいは症状があってもレクチンが原因だと認識されていないことも多いです。

また、レクチンへの反応は、個人差が大きいため、同じものを食べても、症状が全く出ない人もいれば、僅かな量ですぐに重症化してしまう人もいます。

管理栄養士/未病栄養コンサルタント®
鈴木のり子

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