70歳代の女性が、来院された。
症状は立っていると足の裏に激しい痛みと皮膚にボコボコした感じで違和感があるということ。
その他の症状として両膝痛と背中から腰にかけての痛みを訴えている。
まず、筋力検査。全身の筋肉が検査による負荷に抵抗できない状体、これでは膝、腰に痛みがあるのもうなずける。
次に足首から先の痛覚、触覚、振動覚の検査、異常は見当たらない。
次にバビンスキー検査、これは両側に陽性の様な反応、しかし両側と言うのは何とも不可解。
よく聞いてみると、両足とも『凄くくすぐったい』と言う、そのための反応か?
しかし、触覚検査の時は過剰な反応は示さなかった。
どうも強く刺激すると感じるようである。
立位で足底に体重がかかり強く圧迫されると、痛み違和感を覚えるようである。
このことから足底部末梢神経の興奮ではないかと推測できるが決定的ではない。
中枢神経を検査すると径神経変性(TND)と言う異常興奮状態が見て取れる。
このTND状態は神経が異常興奮を起こし強い刺激を与えると神経系が衰弱もしくは機能停止を起こす可能性がある危険な状態である。
したがって強い刺激を与えることが出来ない、必要最低限の刺激と呼吸改善による酸素供給で神経系の機能を回復させなければいけない。
初回の施術は、呼吸調整と筋肉へのストレッチしかできない状態である。
しかし、施術終了後、筋力検査を行なうと全身の筋肉に抵抗感があり、筋力が出ている。
呼吸法を指導して次まで様子を見ていただいた。
2回目の来院。足底の違和感、痛みに変化はないという。
しかしイスから立ち上がったりする時の行動がスムーズになっている。
前回は、手を膝につき、何かにつかまってやっと立ち上がっていた。
状態から見て、かなり改善されたようであるが、ご本人は足の裏の状体が辛くひざ、腰の改善はあまり意識できていないようである。
二回目の施術もTNDが観察されたので前回と同様の内容。
患者さんには、今、ご自身の神経状態を細かく説明をさせていただいた。
感覚障害は時間がかかる、ましてや今回のような神経が変性を起している状態では行なえることは限られている、従って施術時間が短いので手を抜かれているように思われることが多い。
この患者さんは、2回でこられなくなってしまった。
納得していただけるように説明を行ったつもりだが、私の説明が至らなかったようである。
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