めまいには回転性と非回転性があり、非回転性のほとんどが浮遊性である。
回転性は天井や外の景色、または自分自身がグルグルと回る。
この回転性のめまいは眼振という瞳の振るえが景色や自身をグルグルと回転させてしまう。
浮遊性めまいは自分自身がフワフワと浮いたような感じになる浮遊感がある。
浮遊性めまいの原因としては小脳、脳幹、半規管の機能低下が考えられるが、60代以上の浮遊性のめまいは注意しなければならない、この場合、脳血管障害から起きている場合があるので慎重に診なければいけない。
一般には貧血性の症状と区別をつけることが非常に難しい。
私も施術をさせてもらった浮遊性の患者さんの8割以上が実は脳幹の虚血による貧血症状である。
回転性めまいは検査用のゴーグルを着用することで眼振を確認することができる。
しかし浮遊性のめまいは患者さんの主観的な感覚、訴えでしか症状を知ることは難しい。
30代の女性、1年前より浮遊性のめまいで悩んでいる。
病院での受診でCTなどの画像診断では異常が確認できず原因不明、しばらく処方された薬を服用していたが改善は無い。
3ヶ月前から心療内科に回されたのこと。
小脳や各半規管の機能を調べても問題は見当たらない。
問診で状態をもう一度確認すると、座った状態から立ち上がったときが一番なりやすく、寝ていても浮遊性めまいは起きるが、目を動かしたり首を左右に振ったりした時にはめまいは起きない。
起きようとして首を持ち上げると浮遊性めまいになる。
一旦、めまいになると1時間から1日は症状が続くと言う。
問診の内容で推察するとどうも頭の位置に高低差が生じた時に症状が現れている。
頭の高低差を感知するセンサーは前庭器の球形嚢の耳石器である、そこで頭部の高低差を利用して反射検査を行なうと陽性反応が現れた。
体内酸素の状態を改善すると耳石器からの反射反応は消えた。
同時に浮遊感も落ち着いてきた。
頭部が高い位置に上がった時、耳石器が反応して心臓のポンプ圧を上げて脳に血液の供給を滞りなく行なう、これが出来ていなかった、つまり脳の虚血による浮遊感である。
心療内科に回すのは余りにも的外れではないだろうか。
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