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シリカ水は、アトピー性皮膚炎に効果あるの?

先日読んだ、書籍にアトピー性皮膚炎の改善に期待出来るお水がありますと書いてありました。

腸内細菌の専門家、藤田綋一郎先生が書いた『アレルギーと腸内細菌』という本の中には『シリカとは、二酸化ケイ素のことで、体内のコラーゲンの生成を助ける働きがあり、人の細胞膜を強くする働きがあります。それにより炎症を抑えられ、アレルギー症状を軽くする事ができます。腸壁も健康になり免疫力も強化されるでしょう』と書かれています。

シリカを含むお水は色々売られていますが、藤田先生は、宮崎県小林市の霧島山系の水が大量にシリカを含んでいるので飲用されているようです、理由は1リットル中に90ミリグラムものシリカが含まれていてずば抜けて多いからとのこと。

こんな話を聞いたら、確かに効果がありそうと思ってしまいますね。

「シリカ水、試してみたい」ってなった方、ちょっと待ってください。

先日、私どもの患者さんで、シリカを含む水でアトピーが悪化した子がいます。

アトピーに良いと聞いて使ったお水と紹介されて使ってみたとのことでしたが、残念ながら、いつもお伝えしている通り、万人に効果のある物はありません。
そして、何かを飲んだり、塗ったりして効果が出たものは持続的に効くものはないのです。
病院のお薬でもずっと使っていたら効かなくなりますよね。

シリカを豊富に含んでいるミネラルウォーターは採取できる場所が限られているので、比較的高い値段で売られています。

安くないお水を取り寄せて飲む価値は本当にあるのかよく考える必要がありますよね。

話を戻して、

藤田先生が嘘の情報を書いているという話ではありません。

ただ、アトピー性皮膚炎を起こしている人が安易に飛びついていい情報ではないということです。

シリカ水と言えば美容意識の高い女性にも人気の水で、シリカを含むサプリメントなども売られています。張りのあるお肌やつややかな髪の毛、そして爪も綺麗にしてくれると言われています。

著者の藤田先生がおっしゃるには

『シリカは体内で生成出来ないのに、成人で1日あたり10〜40ミリグラムも減っていきます。ハリのあるお肌、若々しくいるためにシリカ水や食事から摂ることが必要なのです。』とのことです。

シリカにはこのような効果があるという研究論文も色々と出ています。

シリカ(=ケイ素・珪素)は骨、毛髪、血管など様々な部位に含まれており、なかでも一番多く含まれているのが皮膚です。

また、研究により骨粗しょう症との関係性も明らかになりました。強くて丈夫な骨を作るにはカルシウムが必要ですが、カルシウムを体内に効率よく吸収させるためには、ケイ素の働きが重要だということが分かったのです。

人間の体内では20歳をピークにシリカ(ケイ素)を蓄える能力が低下していきます。年齢を重ねると共に、意識して取り入れるようにしないと体内のシリカ(ケイ素)が減ってしまい、老化が進みやすくなってしまいます。

アンチエイジングの観点からも摂取したくなるミネラルであることは間違いないです。

しかし、論文で書かれているから良いものというのは安易な考え方です。

効果があると言われているものは、体内に正常に吸収され活用できた場合という条件が、必須です。

ケイ素とは地殻中に多く存在している元素のことで、シリカとも呼ばれます。

地中に含まれている元素なので、もちろん食品からも摂取できます。

例えば、ワカメの茎や大豆、玄米、ジャガイモなどに多く含まれています。
春になるとそこかしこに顔を出す、スギナもケイ素を多く含む植物です。

普段の食事から少しずつ身体に入ってくるケイ素は必須ミネラルではありません。

理由は、ラットや鳥など一部を除き多くの動物の体内には殆ど蓄積しない物質だからです。ヒトが経口摂取したケイ素の殆どは吸収されずそのまま便として排出され、一部は僅かに水に溶けオルトケイ酸となり腸で吸収されています。

このケイ素は必須元素ではないというのが、重要なところです。

実際、吸収できないものを摂りすぎるとどうなるのでしょうか?

ケイ素は血中では可溶性のオルトケイ酸として存在するが、タンパク質等の高分子化合物と結合することなく尿として排出される。そのため特に人体に影響はないと言われています。

摂りすぎても問題ない物のはずですが、実際には、問題が起きています。

どのようなことかというと、ケイ素の摂取でシリカ結石 腎結石、腎障害などを起こす可能性があるということです。

過去のトラブル事例を紹介します。

・シリカを多く含む湧き水(172mg Si/L)により10ヶ月の乳児がシリカ結石になった。

(ケイ素が172 mg/L含まれる湧水の摂取によると考えられる腎結石の報告)

自然界にある元素で、微量に普段の食事から摂取出来ている。

そもそも、人の体は多くを吸収できない。

吸収できないものをたくさん摂っても身体の負担になるということを示す事例です。

出す力がある健康な人は特に問題は起きませんが、乳児の腎結石やアトピー体質の方は出す力が弱い、代謝力が弱いので、本来のデトックス経路である、便や尿から正常に出せないことため皮膚からの排泄になりアトピーが悪化したのだと思います。

見えない腎臓に溜まって腎結石にならず、肌からのデトックスが出来たことのはある意味良かったのかもしれませんが、良いと言われるものは身体に合わなければダメージも大きいことを覚えておいていただきたいです。

シリカは、実は食品添加物としても使われています。

食品添加物としての利用とはどのようなことなのでしょうか?

食品添加物は、その吸着性を利用して、ビールや清酒、みりんといった醸造物や食用油、醤油、ソースなどの濾過工程に使われます。

微粒二酸化ケイ素は吸湿・乾燥材としても使用される。乾燥材としてシリカゲルが海苔やお菓子などに入っているのはよく見ますね。口に入らない場合は安全ですが、ふりかけ等の粉形食品には、湿気による“ダマ”を防ぐ目的で添加されることがあります。

厚生労働省の告示の中で、食品添加物として二酸化ケイ素(シリカ)またはケイ酸カルシウムを添加する場合、食品に対して合計で2%以下とされている。

また、母乳代用品及び離乳食への使用は禁止されています。

食品添加物として利用される非結晶性の二酸化ケイ素は、体内で消化吸収されず、その大部分が便中に排出されるため身体に影響はないが、高濃度を長期摂取した場合は有害性が示唆されています。

商品を購入、利用するときは必要性をよく検討しましょう。

現時点では一日当たりに摂取が必要なケイ素の量は明確にはなっておらず、美容や健康増進などに対する具体的な有効性については、必ずしも明らかにはなっていません。

引用:国民生活センター

このことからも、大量摂取の危険性を感じますね。
美容サプリなどで水よりも大量に摂取できるものも売られています。

肌のために飲んだものでお肌トラブルが出ては本末店頭です。

効果とリスクをの両方を考えて使うようにしてみてください

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