前回、大脳の一次体性感覚野は痛みの場所を感知し、大脳辺縁系の偏桃体は痛みの感覚を感知する。
それに合わせて偏桃体は感情、特に母性の中枢でもあるというお話をしました。
痛みの抑制機構
人間には痛みの抑制機構というのがいくつか備わっています。
その一つに中脳水道灰白質から橋の青斑核に投射され、さらに青斑核から脊髄前角に投射される青斑核脊髄路があります。
青斑核からの線維は脊髄前角で痛覚線維が第二次ニューロンにシナプスするところで痛覚路を抑制し視床への入力をコントロールしています。
広範囲への痛みに対する抑制には効果の高い抑制機構です。
中脳水道灰白質と青斑核は中脳と橋にありますので
眼球運動で動眼神経核、滑車神経核を刺激することで相同関係にある中脳と橋の神経核は刺激され発火します。
これにより青斑核脊髄路が脊髄前角で痛覚路の抑制力として働きます。
腕全体が痛いとか脚全体が痛いという患者さんへの眼球運動は大きな効果をもたらすことがあります。
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