心はどこに
心が痛むとか、心温まるというと左胸に手を当てる。
しかしここは循環器の心臓の位置、ここには心は無い。
何故心臓が心になったのか、それは江戸時代、身体の機能が詳しく分らなかった頃、他の臓器が傷ついても直ぐには死なないが、心臓を傷つけると直ぐ死に至る、このことから身体で一番大事なのが心臓、だからそこに心が存在すると思われていた。
それでは心とは何処なのか?
感情や思考、喜びや悲しみを考え感じるのは大脳の前頭前野、位置的にはオデコの辺りで行っている。
まさにこの前頭前野が心の存在そのものである。
ちなみに江戸時代には脳が何を行うところなのか分からなかった。
脳が機能低下を起すと、落ち込んでしまったりふさぎ込んでしまったりと、いわゆる心療内科などでは、うつ状態、うつ病と診断される。
脳の機能が低下する多くの原因が酸素不足である。
30代の女性がお母さんと妹さんに付き添われ首と頭が痛いといって来院された。
問診のときから会話が成立しない、話している途中で突然違うことを言い出したり奇妙な動きをしたり、病院で抗うつ剤を処方されているという。
検査を行うと瞳孔の状態などから極度の交感神経過緊張状態が観察できる。
勿論、首、肩、背中、胸の筋肉は収縮を起している
横隔膜を調整し呼吸を整えると、顔つき喋り方が変わってきた。
質問にもちゃんと答えられるようになってきた。
無表情だった顔が笑顔に変わってきた。
脳に酸素を供給しただけでかなりの変化が見られる、何回かの施術は必要になると思うが、次回来院されるときが楽しみである。
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