音は、空気の振動が鼓膜、ツチ骨、キヌタ骨、アブミ骨と伝達されリンパ液で満たされた蝸牛で電気信号に変換され、脳幹を経由して反対側の大脳で識別されます。
右耳で聞いた音は左脳の側頭葉で認識され、左耳で聞いた音は右脳の側頭葉で認識されます。

耳鳴りの原因

耳鳴りには外耳道から内耳道までが物理的に問題を起こして引き起こされるものと、空気振動が蝸牛で電気信号に変換されて脳幹そして大脳側頭葉、もしくはそれらを結ぶ神経経路のいずれかが興奮状態にあると、普段は音として聞こえないくらいの微細な空気の振動が、音として認識されてしまい耳鳴りを引き起こすものとがあります。

原因として、酸素不足、刺激不足、顎関節、身体から常に痛みの信号が出ている、感情、薬害など原因をしっかりと追究することが改善への近道となります。

『耳の閉塞感』

急に高い所に上ったりトンネルの中に入ったり飛行機に乗った時など耳がボワーンとして聞こえづらくなったり、自分の声が大きく響いたりする「閉塞感」。
これは気圧が急激に変化し、外耳と内耳とに気圧の差が生じた時に起こる現象です。
こんな時は、唾をゴクンと飲み込むか鼻おつまんで「フン」と威張るとポンと抜けたように元に戻ります。
しかし突然、閉塞感になりこの状態が続く事があります。
「耳管狭窄症」と「耳管開放症」です。
最近では耳管の狭窄よりも解放状態での閉塞感が多いと言われています。
耳管は内耳と咽頭(喉の奥)を結ぶ管で、内耳の圧力調整を行っています、また鼓室の体液の排出も行っています。
耳管は嚥下(物を飲み込む)を行うと開き内耳を不必要な圧力から守る役割をしています。
カギ状の耳管軟骨を耳管咽頭筋の緊張によって耳管は普段閉じられています。物を飲み込むと耳管壁に付着している口蓋帆張筋が反射で耳管壁を側方に引っ張って開きます。
耳管咽頭筋と口蓋帆張筋は相反した自律神経によって支配されているため自律神経のバランスが崩れると閉塞感が起こります。

突発性難聴

空気の振動が鼓膜に伝えられます。
内耳と呼ばれる鼓膜の内側には鼓膜に伝わった振動はさらにツチ骨→キヌタ骨→アブミ骨と伝わり蝸牛に至ります。
蝸牛では耳小骨(ツチ骨・キヌタ骨・アブミ骨)からの機械的刺激である振動を電気的信号に変換します。
電気信号となった音の情報は蝸牛神経を伝わり反対側の大脳皮質の側頭葉にある聴覚野に至り音として認識されます。
少難しくなってしまいましたが、鼓膜を震わせた振動が耳小骨を伝わり蝸牛で電気に変換され反対側の脳で音として感じます。

『伝音性難聴と感音性難聴』

感音性難聴は蝸牛から先の神経的な問題で発症します。
原因としては神経変性や腫瘍、血管による蝸牛神経への圧迫などがあります。

伝音性難聴は鼓膜から耳小骨も問題が考えられます。
突発性難聴のほとんどは伝音性難聴だと言われています。
原因の一つとして鼓膜の張りを調整している鼓膜張筋の機能があります。
鼓膜張筋は鼓膜の張りを適度に保つ事で空気の振動を耳小骨に伝えやすくしています。
皮の緩んだ太鼓を打っても音は響きません。
しかし皮の張った太鼓は大きな良い音がします。
太鼓の皮と同じで鼓膜も 鼓膜張筋の働きが低下すると、鼓膜を適度に張る事が出来なきなくなり。こもったように音が聞こえにくくなります。これが突発性難聴です。
鼓膜張筋は三叉神経が支配しています、三叉神経が過剰に刺激されると鼓膜張筋は機能低下を起こす可能性があります。
三叉神経は顎の筋肉も支配しているため、原因としては歯への施術で長時間口を開けていた。大きなあくび。うつ伏せで寝て顔の半分を圧迫した。顎に強い衝撃を受けたなどが考えられます。
顎関節が問題を起こすことで突発性難聴を引き起こす事が考えられます。

聴覚過敏

難聴とは反対に音が大きく聞こえてしまう聴覚過敏。
大きな音がすると鼓膜を痛めてしまう可能性があります。
そのような時、蝸牛からアブミ骨を離し振動の伝わり方を調整する働きをしているのがアブミ骨筋です。
例えば大きな音楽がガンガン流れている場所では、最初は我慢できないくらい音が大きく聞こえていても、しばらくすると音に慣れてきて最初ほどは、うるさく感じなくなります。
これがアブミ骨筋の働きです。
しかしアブミ骨筋の働きが低下してしまうと音を調整する事が出来なくなり音が大きく聞こえる聴覚過敏になります。

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