肩関節には上腕、頚部、肩甲骨、胸部、背中の筋肉が付着しています。これらの筋肉のどれが問題を起こしても肩に痛みを生じる可能性があります。痛みが出ているのは肩ですが、痛みの元は肩にあるとは限りません。原因を探すことが大切です。
五十肩(肩関節周囲炎)
初期の段階では肩関節の筋肉の炎症、収縮による痛みです。早期の処置であれば簡単に改善できます。症状が進み肩関節の動きが小さくなってからだと改善に時間がかかりますが効果的に改善できます。
また、肩を回すと音がする時があります。これは肩関節に付着する筋肉のバランスが悪くなり、スムーズに動かなくなり音がします、例え痛みが無くても、肩にトラブルが生じている信号です。早めに適切な処置を行えば施術回数は少なく改善できます。
*ボールなどを投げた時に肩が痛い
*物を持上げようとした時に肩が痛い
*腕を下げていると肩に痛みがでる
*腕が痛くて挙げることができない
など早期の適切な処置をお勧めします。
神経絞扼(圧迫)
肩甲背神経の絞扼
症状
・肩甲骨内側・首筋への痛みシビレ、腕への放散痛。
・仰向けに寝ると肩・上腕・肘・前腕へ痛みシビレが大きくなる、ただし枕を高くすると楽になる。
肩甲背神経は首にある中斜角筋を貫通し胸を張るときに肩甲骨を背骨側に引き寄せる菱形筋と肩甲骨を斜め上に引き上げ肩をすくめる(外人の方が肩をすくめオ~と言うポーズ)肩甲挙筋を支配しています。
・重いバッグを肩に掛ける、また軽くても長時間肩に掛けている
・長時間のパソコン操作で首を傾斜させている
・サッカーのヘディングやコンタクトスポーツでの首への衝撃
・ムチ打ちなどが原因しています
首に負担が掛かる状態が長く続いたり急激に強い力が掛かったりすると背中の菱形筋と肩甲挙筋に影響が広がって行きます。
肩甲上神経の絞扼
症状
・肩甲骨付近への強い痛み
・首・上腕の内側に痛み
・夜になると痛みが増強する(夜間痛)
肩甲上神経は肩甲骨の上下にある棘上筋と棘下筋を支配しています
カバンや買い物袋を手に下げたり荷物や箱を両手で持つような腕を伸ばした姿勢で長い時間肩に負荷が掛かると棘上筋が過緊張を起こし神経が圧迫され症状が引き起こされます。
四辺形間隙症候群
症状
・腕の付け根、脇の下部分を押すと痛み(圧痛)がある
・肩の先端、三角筋の痛み
・肩を中心とした広範囲の痛み
液窩神経が上腕と脇の下の筋肉に絞扼されて起こるシビレ及び痛みです
この場所には上腕骨・小円筋・大円筋・上腕三頭筋が複雑な位置関係にあり、その隙間を液窩神経が通り抜けています。腕を動かした時にこれらの筋肉が関与するため障害が起こりやすい部分です。
これらの頚部・肩の症状が起こると時間経過と共に腕・肘・手首などに痛みシビレが現れます、これをダブルクラッシュシンドロームと言い、首・肩の抹消神経障害によって引き起こされる二次的症状です
ダブルクラッシュシンドロームを引き起こさないためにも早期の適切な施術が必要です。