痺れ(しびれ)・痛みは筋肉などの軟部組織による圧迫絞扼により起こるもの、血流低下により酸素運搬が低下して起こるものがあります、正座をした時に起こるシビレは太ももやふくらはぎを圧迫した事で血流が阻害されて起こる代表的なものです。
血流低下により起こる痺れ(しびれ)の原因として、神経、血管の筋肉による圧迫。中枢神経の機能低下。呼吸機能低下による酸素不足などが考えられます。ヘルニアの割合は非常に低く、またヘルニアであれば痺れ(しびれ)と共に感覚障害、運動障害が発生します。神経アプローチにより改善率が非常に高い症状です。
特別な例として薬害、化学物質によってもシビレが発生します。痺れ(しびれ)を伝えるのは鈍い痛みを伝える神経です。鈍い痛みを伝える神経は薬物に弱いため、公害病の症状のほとんどが痺れ(しびれ)であることからも理解できると思います。

坐骨神経痛(根性坐骨神経痛)

腰椎4番~仙骨2番レベルから発生する総腓骨神経と腰椎5番~仙骨3番レベルから発生する脛骨神経が合わさり坐骨神経を形成します。一般的に坐骨神経痛は臀部から太ももふくらはぎに掛けて痛みシビレが起こると思われていますが純粋な坐骨神経痛であれば臀部には痛み痺れ(しびれ)はなく太ももの付け根から足先に掛けて痛み痺れ(しびれ)が発生します。
原因としては椎間板のヘルニアが大きな要因とそして考えられます
腰椎の3-4椎間板、4-5椎間板、5-仙骨1椎間板レベルの後方突出(ヘルニア)
腰椎椎間板ヘルニア
検査として膝蓋腱反射(筋の伸張反射)の低下。長母趾伸筋(足の親指を反らせる)の筋力の低下。爪先立ち・踵立ちが上手くできない。などの特徴があります。
お尻から足にかけて痛み痺れ(しびれ)があると坐骨神経痛と診断される事がありますが、実は坐骨神経痛の症状の多くは膝から下の外側にシビレ痛みが出ます、神経支配の関係上お尻に痛みシビレの出ることはありません。臀部から太もも、ふくらはぎに掛けて痛み痺れ(しびれ)が発生するのは「梨状筋症候群」です。

梨状筋症候群

坐骨神経痛と症状が非常に似ていて、時として坐骨神経痛と診断される事が非常に多い症状です
坐骨神経痛の特徴は臀部には痛みは無く、足の付け根より放散痛、痺れ(しびれ)が発生する。
これに対して梨状筋症候群は臀部から太腿、ふくらはぎまで痛み痺れ(しびれ)などの放散痛が達するのが特徴。
坐骨神経痛の項でも説明した通り、総腓骨神経と脛骨神経とが合わさり坐骨神経を形成します。坐骨神経は臀部で梨状筋と双子筋の間を走行している。梨状筋が何らかの原因で緊張・収縮を起こすと坐骨神経が絞扼圧迫され臀部と下肢に放散痛が発現します。

外側大腿皮神経痛(知覚異常性大腿痛)

股関節の少し上の部分から太ももの外側と前面、膝の外側に掛けて痛み痺れ(しびれ)を感じる
鼠径部と縫工筋、大腿筋膜張筋で神経を圧迫することが多く、原因として大腿四頭筋の肥厚・妊娠による腹圧の上昇・肥満・急激なダイエット・スポーツ障害・ベルトの締め過ぎ・きつすぎる下着やズボン・大腰筋の過緊張などで発生します。
外側大腿皮神経は純知覚枝であるため坐骨神経痛のように運動機能障害(筋力低下)は現れません。

後大腿皮神経による痛み

太ももの付け根より後面全体、膝の裏側まで痛みシビレが現れる。
大腿の裏側は坐骨神経・梨状筋症候群・外側大腿皮神経などが同じように痛みシビレを発生するがそれぞれに異なった特徴があり検査、鑑別診断を行うことで、どの神経がトラブルを起しているか突き止めることで改善できます。

伏在神経による痛み

症状は膝から下、ふくらはぎから足首の内側に痛みシビレがでる
原因は太ももの内側を神経が通過する部分(内転筋管)があり、この部分の筋肉の肥厚、近くを通っている血管やリンパなどの問題。
乗馬やオートバイの様に内ももに力を入れることが多い、変形性膝関節症の状態が続き足の筋肉のバランスが崩れ太ももの内側の筋肉が収縮し神経を圧迫してしまうなど。

総腓骨神経絞扼障害

症状
膝から下の外側から足の甲にかけて痺れ(しびれ)痛みを感じる、症状が進むと足首から先に力が入らず、ダランと垂れた状態、下垂足になる
歩行中、爪先を引っ掛けやすい。捻挫しやすいなど状態の方は総腓骨神経絞扼の疑いがある
原因
膝の外側のところ(腓骨トンネル)で神経が絞扼される
神経が圧迫される外的要素、内的要素を鑑別し適切な処置が必要です

前足根管症候群

症状
足の親指と人差し指の間、履物の鼻緒が当る部分に感覚麻痺やシビレ感、足関節から足背(足の甲)にかけての痛みが現れる。
原因
足の甲の部分に伸筋支帯と言う靱帯があり、その下を深腓骨神経が通過している、この部分で神経が圧迫される。
ハイヒールや靴の紐を強く結んだりすることで発症する事もある。

足根管症候群

症状
かかとを除く足の裏の痺れ(しびれ)痛み知覚異常。足の裏の指の付け根の部分に何かはさまっている様な感覚。
原因
内側のくるぶしからかかとにかけて屈筋支帯と言う靱帯があり、この部分を足根管と言いそこで神経が圧迫される。
捻挫や骨折がキッカケになることもある、そのほか軟骨腫やガングリオンなども原因となる。

踵(かかと)の痛み

かかとの知覚を支配している神経は、足根管の手前で分かれて踵にいく、このため足の裏の感覚異常とはまるで別な神経であり原因であるため慎重な鑑別診断が必要である。

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